
currykko|Illustrator
昔から、何でも絵にして学んできた。
ボタニカルアートを初めて見たとき、今まで描いてきた絵の目的がわかった気がした。
―――曰はく、植物学的な視点から正確かつ精密に描く、科学的な要素と芸術性を兼ね備えた”植物の肖像画”。
私の絵も、科学的で芸術的な「おいしさの肖像画」でありたいと思う。
インドが好き。

明るくて、優しくて、蒸し暑い南インドで。ガイドブックにも載っていないケララの海辺の小屋で「ミスマッチ」みたいなことを言われながらも、どうしても食べたくて注文したワダとエッグカレーは一生の思い出。
鼻の粘膜がひび割れを起こすくらい乾燥した冬のオールドデリーで、屠畜現場横で食べたニハリの、こってりとした生命の味も、生きることと食べることについて考えた時間も、私の中でずっと消えない。
外国を旅する時、必ず小さいスケッチブックと色鉛筆を持って行く。空港で尖っている色鉛筆を一式没収されそうになった時は震えたけど、それでも重くて大事な色鉛筆を持ち歩くのは、私の出会う「おいしい」の肖像画を一つ残らず描き集めたいから。
インドの「おいしい」は生っぽいというか、源っぽいというか、ダイレクトに響く気がする。口に運んだ瞬間、頭の中で「この構図で、あの色を使って、この味と温度と気持ちはどう表現しよう?」とビリビリが止まらない。もちろん旅行中の高揚感も影響していると思うけど、描きたくて止まらない思考が気持ちいい。
インドの空気と、インドの味が、私を蘇らせてくれるのだ。